オフィスの衛生基準とは
▶ オフィスの衛生基準は『事務所衛生基準規則』によって、昭和47年(1972年)9月30日労働安全衛生法に基づき、労働省令第43号によって定められた事務所の衛生基準のことをいいます。
平成16年(2004年)3月30日に改正され、現在に至っています。
※事務所衛生基準規則は労働安全衛生法に基づいて定められた、事務所の衛生基準に関する厚生労働省令です。労働者の安全と健康を確保し、快適な労働環境を維持することを目的としています。
その主な規定内容は次のとおりです。
①事務室の環境管理について
1.空気については室内の気積(労働者1人あたり10立方メートル以上)や換気、空気中の浮遊粉じん・一酸化炭素・二酸化炭素の含有率を基準値内に保つことが義務づけられています。
2.温度・湿度については室温を10度以上に保つことや、空気調和設備を設けている場合の室温(17度以上28度以下)・湿度(40%以上70%以下)の管理が規定されています。
3.照度(明るさ)については作業の種類に応じて精密作業は300ルクス以上、普通作業は150ルクス以上など、必要な明るさを確保することが定められています。
②清潔の保持について
1.定期的な清掃やごみ・汚物の処理、ねずみ・昆虫の駆除が義務づけられています。
2.手洗い設備や従業員が利用できる清潔な飲用水の確保なども定められています。
③休養について
1.長時間労働や夜間勤務がある場合は睡眠や仮眠ができる設備を設置する必要があります。
2.常時50人以上の労働者(女性労働者が30人以上の場合も含む)がいる事業場には男女別の休養室を設ける義務があります。
④救急用具について
負傷者の手当に必要な救急用具を準備し、清潔に保ち、その使用方法を労働者に周知させることが、義務づけられています。
労働安全衛生規則との違い
1.事務所衛生基準規則は一般的な事務作業を行う事務所に適用されます。
2.労働安全衛生規則は工場や店舗など、より幅広い事業場に適用され、事務所衛生基準規則にはない項目(危険な機械の取り扱いなど)についても規定しています。
これらの規則を遵守することで、従業員の健康を守り、業務効率や生産性の向上にもつながります。
事務所衛生基準規則の目的と内容
▶ 『事務所衛生基準規則』は働く人が良い環境の中で働けることを目的に定められた省令です。
▶ 内容は23条からなり、事務室の広さ、換気、室温、空調、照明、騒音防止、飲料供給、排水、清掃、トイレ、洗面、休憩室、椅子の数、救急用具などの規定がこと細かくまとめられています。
なお、事務室の環境管理基準は次のように定められています。
《事務室の環境管理基準》
| 気積 | ●10m2/人以上。 但し、設備に占める空間であり、床から4mを超える空間は除く。 |
|---|---|
| 換気 | ●最大開放部分の面積が常時床面積の20分の1以上。 但し、換気が十分にできる設備を設けたときはこの限りではない。 ●一酸化炭素50ppm以下、二酸化炭素500ppm以下。 |
| 温度 | ●10℃以下のとき、暖房等の措置を行うこと。 ●冷房実施のとき、外気温より著しく低くしてはならない。 |
| 空調設備等による調整 | ●浮遊粉塵量0.15mg/m2以下、一酸化炭素10ppm以下、 二酸化炭素1000ppm以下、ホルムアルデヒド0.1mg/m2以下。 ●気流0.5m/s以下、室温17℃以上28℃以下、相対湿度40%以上70%以下 |
| 照度 | ●精密な作業の場合は300ルクス以上。 ●普通の作業の場合は150ルクス以上。 ●きめ細かい作業でない場合は70ルクス以上。 |
▶ この『事務所衛生基準規則』に関連したものとして、ビル管理法(別名、建築物衛生法、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」)があります。
《事務所衛生基準規則とビル管理法の違い》
| 特定建築物 学校8,000m2以上 ※1その他3,000m2以上 |
特定建築物以外の建物 | |
|---|---|---|
| 事務所なしの建物 | ビル管理法の適用 | 規制なし |
| 事務所ありの建物 | 事務所衛生基準規則とビル管理法の2つの適用 | 事務所衛生基準規則の適用 |
※1 その他とは興行場、百官店等、店舗、事務所、旅館等をいいます。
つまり、オフィス等は必ず『事務所衛生基準規則』の適用を受けます!
▶ なお、事務所衛生基準規則自体には記載されていませんが、事務所衛生基準規則は労働安全衛生法によって規定されていますので、労働安全衛生法に違反したときの罰則に従うと考えられます。
そうなると、法人と代表者が6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰則に処せられる可能性もあります。それはともかく、やはり経営者として法律を守る姿勢が大事と思われます。
オフィス等の環境実態
1 オフィス・作業現場等の衛生状況
《特定構築物立ち入り検査等の結果》

厚生労働省生活衛生局企画課・生活衛生課調べ
▶ 厚生労働省の構築物立ち入り検査によれば、近年気候温暖化の影響か、二酸化炭素と温度の不適合率が増加するとともに、認識不足のためか、相対湿度の不適合率が高い状況となっています。
▶ 『事務所衛生基準規則』では「空気調和設備を設けている場合は室内の気温が17度以上28度以下に相対湿度が40%以上70%以下になるように努めなければならない」とされています。
2 首都圏のオフィス等における冬場の温湿度実態
《冬季の首都圏オフィス環境における温湿度の分布》

労働安全衛生総合研究所調べ
▶ 首都圏冬場のオフィス温湿度を見ると、50%以上が基準範囲外であることが分かります。
▶ 縦軸の「相対湿度」とは特定の温度での水蒸気の分圧と水の平衡気圧の比のことをいい、私たちが日常使っている「湿度」のことです。
▶ この調査は、4事業所105カ所で調べた、午前9時から午後6時までの温湿度分布ですが、約5割が不適合であったことを示しています。
3 低湿度による健康影響
《 自覚症状の割合 》

労働安全衛生総合研究所調べ
▶ 低湿度の健康への影響については、4事業所105カ所の従業員アンケートから多くの人が「何らかの症状がある」という結果が得られました。
▶ この中で皮膚の乾燥やかゆみ、のどの痛み、乾燥、くしゃみ、せき、鼻水・鼻づまりなどは「乾燥」が一因になっていると考えられます。
ここから推測すると空気清浄機や加湿器は
オフィス空気環境の改善に大きな効果があると思われます。
空気清浄機等の可能性
▶ 近年、技術革新とともに普及が進んでいる空調機器ですが、特に除湿・加湿機能付きの空調機器を活用することで、室内の相対湿度を40~70%の基準範囲に収めることが可能となって来ています。
▶ 調湿機能付きの空調機器を設置したオフィスと、従来型の空調機器を設置しているオフィスでの相対湿度の推移を比較すると、下図のとおり、調湿機能付きの空調機器を有するオフィスでは相対湿度が40%を下回らないように自動的に調節されているのに対して、従来型の空調機器では40%を下回る低湿度となってしまっていることがわかって来ています。
《 空調の調湿あり・なしによる相対湿度の推移 》

労働安全衛生総合研究所調べ
このことから、調湿機能付きの空調機器を適切に使用することにより、冬季の乾燥を防止することが可能になると思われます。
▶ 上図から調湿機能付きの空調機器を適切に使用することで、冬場の乾燥や夏場のエアコンによる乾きを防止することが可能になることがわかります。
▶ 但し、定期的にメンテナンスするが重要です。定期的にメンテナンスをしないと、レジオネラ菌による集団感染や加湿器肺と呼ばれる過敏性肺炎の原因ともなりかねません。
怖い『加湿器肺』
加湿器で疎かにされがちなのが「日ごろのお手入れ」です。
家庭なら個人の責任で済みますが、企業では『事業所衛生基準規則』によって経営者の責任となります。
さらに加湿器の利用増加に伴って、近年では『加湿器肺』の報告が多くなっています。
▶ 加湿器肺とは
加湿器肺とは、加湿器を適切に取り扱わないことによって起こるタンクの中に繁殖した細菌が水滴とともに室内に飛び散り起こる感染症のことです。

▶ 加湿器肺を引き起こす原因
使用している加湿器を洗わずに水を足すだけで使用していたり、水が残ったまま仕舞いこんだ加湿器を掃除せずに使用したしたときなどに発症します。
特にオフィスにおいては、週末は使用せず、週明けにそのまま使用するということで従業員の方が発症したりします。
▶ 加湿器は最低でも2週間に一度お手入れが必要!
オフィスにおいて加湿器を使用する場合は、週一度のお手入れをすることが理想的ですが、少なくとも、2週間に一度は専門のスタッフによる加湿器メンテンナンスをすることが、『事業所衛生基準規則』から考えても重要です。



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